無職からスタートしてみた

サバンナの夜明けを見てから、これからどうやって生きていくか、考え出した。
結論としては、「人と接する仕事はしたくない」ということ。とりあえず、派遣会社にエントリーし日雇いの仕事を始めた。

まず、派遣会社の登録面接に行く。周りは高校卒業したばかりの若者。この中にアラサーの自分1人。
「前はどんな仕事をしてましたか?」
「……公務員です」
「…………え、もったいない。何でやめちゃったんですか?」
「……えー色々、ありまして……」
「……そうですか」

こんな会話をしたことを鮮明に覚えている。

それから数日たち、指定された工場に行き、朝から晩まで働いて約8000円近くもらうという生活。慣れない重労働に体がバキバキに筋肉痛になった。

「お金を貰うってこういうことなんかな……」と少しだけ気付く事ができた。今までは月末になると給与が振り込まれていたが、派遣は違う。自分から動かないとお金がもらえない。

クタクタになって家に帰り、妻は数ヶ月ぶりに働いたあとの自分の話を嬉しそうに聞いてくれた。妻としても働いているという事だけでも嬉しかったのかもしれない。

ただ今後の人生を考えた時にこれも長続きはしない。自分が何をやりたいのか、どんな人生にしたいのかを考えた時に出てきたのは「小学校の担任の先生と遊んだ時に見た夕日」だった。「あの時見たいな体験をやっぱりもう一度、子ども達と一緒になってやりたいな……」。そう率直に思い始めた。

そんな中、事態は急速に動くことになる。小学校の時の担任の先生が隣町の市の特別支援学校で働いているという情報を得る。

「会いたい。久しぶりに会って今の自分の事を話したい。」先生に会えば何かが変わると思えた。

そして、数ヶ月…………
次回に続く。